事業承継における受け皿会社活用の注意点

事業承継における受け皿会社活用の注意点

以前は、現経営者が株式を現物出資するなどして新会社を設立し、新会社の株を持つことによって、つまり間接的に株式を保有することによって、相続や贈与時の株式の評価額を下げるという手法が使われてきました。

 

この手法は株式の評価額を大きく下げる効果があったのですが、現在は限られた範囲内での効果があるに過ぎません。

 

現在は、総資産に占める株式の割合が50%以上であれば、株式保有特定会社としてみなされ、株式は純資産価額方式により評価されることになるため、単純に新会社に株式を移転しただけではメリットはありません。

 

ただし、時間が経つことで、既存の会社の業績が向上すると、メリットが出てきます。なぜならば、純資産方式では、法人税を控除した後の利益剰余金が純資産に組み入れられることから、計算上は、約40%の控除が受けられると考えられるからです。

 

また、株式の評価額を下げるというだけで受け皿会社を活用するのではなく、円滑な事業承継のために受け皿会社を活用するメリットはあります。

 

例えば、現経営者が複数の会社を経営している場合です。このような場合、それぞれの会社の株式を所有している状態ですので、贈与や相続させる場合の管理が非常に大変なことから、ホールディングカンパニーを新設し、株式を一本化することで管理がしやすくなります。

 

更に、経営と所有を分離できるというメリットもあります。従業員を後継者としたい場合は、元の会社の経営を任せ、受け皿会社で株式を保有し続けるということができます。自分の子供を経営者としたい場合でも、同じような考えで経営と所有を分離した状態で、早い段階から経営を任せて経営者として教育していくという考え方ができます。