事業承継に活用できる贈与税・相続税の納税猶予とは

事業承継に活用できる贈与税・相続税の納税猶予とは

事業承継につきものの贈与税・相続税に関しては、「中小企業における経営の継承の円滑化に関する法律」の特例による贈与税・相続税の納税猶予を活用すると負担を減らすことができます。

 

この特例では、非上場会社の株式に限定されるものの、一定の条件を満たせば、非上場会社の株式についての贈与・相続税については納税が猶予されることに加え、納付が免除されることもあり得ます。

 

詳しくは、国税庁のHPに掲載されていますので、本項では簡略に説明します。
No.4148 非上場株式等についての相続税の納税猶予
No.4439?非上場株式等についての贈与税の納税猶予

 

まず、資産はあくまでも株式です。その他、会社や先代経営者、後継者について様々な要件があり、「経済産業大臣の認定」を受ける必要があります。贈与の場合は、贈与した年の翌年1月15日までに申請しなくてはいけません。相続の場合は、相続開始後8か月以内に申請しなくてはなりません。

 

また、5年間は毎年、5年が経過した後は、3年後ごとに届出を税務署に行わなくてはなりません。これを怠ると納税猶予額だけではなく、利子税を払う必要があるので注意したいところです。

 

このように、納付をしなくてはいけなくなるケースというものがいくつか定められており、注意すべきところでは、申告期限後5年間の平均で、相続開始時の雇用の8割を維持できなかった場合、申告期限後5年以内に、後継者が代表権を失った場合、などがあります。

 

具体的な金額としては、贈与税の場合は、発行済株式数の3分の2まで猶予されることになります。そして、贈与者である先代経営者が死亡した場合は、納税猶予税額が全部または一部が免除されます。

 

これは、一見、非常に大きな額を節税できるように見えますが、実は相続時に、贈与された株式を相続財産と合算しなくてはいけません。

 

結局は、相続税で税金を支払わなくてはならないのかと、がっかりされるかもしれませんが、その際は相続税の納税猶予が活用できます。

 

上記のように、要件を満たし続ければ、相続税の支払いが猶予されるのです。

 

また、株式の相続人である後継者が死亡した場合は、「免除届出書」により納税が免除されます。また、申告期限後5年経過後であれば、親族に贈与し、その親族が更に贈与税の特例を受けると同時に後継者は支払いを免除されることもありますし、同族以外の人や会社に株式を譲渡又は贈与した場合は、納税が免除されるのです。

 

このようにこの特例は、一定の要件を満たす必要があるのと同時に、納付しなくてはいけないケースが出てくるため注意は必要ですが、納税を免除される場合があるなど、有用でもあります。

 

事業承継においては、まずはしっかりと企業価値を毀損しない範囲内で適正な節税を行い、その上でこの特例を活用することが有用です。