中小企業の事業承継コンサルティング

民事信託による不動産流通税の節税

事業承継の際は、土地や建物の承継が問題になる場面が多くあります。

 

その一つに、流通税の問題があります。

 

例えば、先代経営者Aが所有する土地と建物を後継者Bに譲渡する場合を考えてみましょう。

 

土地の値段が5億円、建物の値段も5億円とします。

 

この際、後継者Bの資金は大きな問題ですが、もう一つ問題となるのが、「所有権移転登録免許税」及び「不動産取得税」です。

 

まず、土地や建物の所有者が変更になる際に、法務局にて「所有権移転登記」を行わなくてはなりません。この際に、収入印紙によって支払うのが、「所有権移転登録免許税」です。

 

そして、同時に不動産を取得したことを都道府県税事務所に届け出ることによって、課税されます。これが、「不動産取得税」です。

 

「所有権移転登録免許税」の税率は、以下のようになります。

 

土地 1.5%
建物 2.0%

 

「不動産取得税」の税率は以下です。

 

土地 3%
建物 4%(住宅用は3%)

 

先ほどの譲渡価格からそれぞれの税金を計算すると、以下のようになります。

 

  所有権移転登録免許税 不動産取得税
土地 750万円 1,500万円
建物 1,000万円 2,000万円(1,500万円)

 

これを合計すると、5,250万円を税金として支払うことになります。これは無視できない額ではないでしょうか。

 

このように、不動産の譲渡価格が上がれば上がるほど、流通税が後継者に重くのしかかることになります。

 

このような事態に対処する一つの方法として、民事信託を活用するという方法があります。

 

信託を設定した場合、「不動産取得税」は非課税です。

 

また、「所有権移転登録免許税」については以下のようになります。

 

土地 0.3%
建物 0.4%

 

上記と同じように計算すると、税額は合計で350万円となります。

 

実に、4,900万円の差が生まれることになります。

 

このように民事信託は、上手に設計することにより、非常に大きなメリットがあります。

 

やや複雑なスキームになることもありますが、事業承継における不動産の取り扱いでは選択肢の一つとして考えてみてはいかがでしょうか。