事業承継のための後継者教育

事業承継のための後継者教育

このエントリーでは、事業承継にあたってどのように後継者を教育していくのかを考えてみたいと思います。

 

まず、後継者となる人材の現段階における資質や能力をしっかりと把握しておく必要があります。

 

経営者として求められる資質・能力と現在の資質・能力のギャップを埋めるために教育があるのです。

 

この差がある程度把握できれば、具体的に後継者教育の計画を立てることができます。

 

まずは、教育の時間軸です。

 

ギャップが大きければ大きいほど、時間軸を長く設定せざるを得ないでしょう。その逆もまた言えます。

 

あまりにギャップが大きければ、時限的にセットアップマネージャー(外部から招聘した経営者)を招くことも選択肢の一つとなります。

 

セットアップマネージャーの元で教育を受け、数年後に正式に経営者となるというやり方は、非常に現実的な方策であり、よく行われる方法でもあります。勿論、社内の番頭格の人材に時限的に経営を任せるということもできるでしょう。

 

さて、時間軸が決まれば、後は具体的な教育内容を詰めていくことになります。

 

この際に考えるのは、内容(What)と方法(How)、誰が教えるか(Who)です。

 

まず、事業に必要となる知識であったり、財務会計などの経営者としての最低限の知識は押さえておかなくてはなりません。

 

これらは、商工会議所のセミナーであったり、民間のセミナーが沢山開かれていますので、参加することで得ることができます。また、社内の従業員から手ほどきを受けることも可能です。取引先の企業に雇用してもらうというのも昔から行われている方法です。時間軸が許すかどうかという問題はありますが、取引先との関係を深めるという意味でもとてもメリットのある方法です。社内の現場をローテーションさせるという方法もあります。この方法は、従業員との関係性も深まるという効果があり、大きなメリットがあります。

 

このように知識面については、本人のやる気さえあれば、教育はそれほど難しくありません。

 

問題なのは、マネジメント能力であったり、リーダーシップです。

 

これらの能力については、資質的な側面もありますが、環境が人を育てると言われるようにそれ相応の役職を任されて仕事をした経験がモノを言います。

 

勿論、外部の研修はありますが、たかだか数日勉強しただけで、できるようになるものではありません。また、自分の庇護のもと、形ばかりの役職に就かせたところで、あまり意味がありません。

 

経営幹部を育てる際に多くの企業で行われている方法は、事業単位で収益の責任をもたせることです。実際に従業員をマネジメントさせ、事業のプロセスを一気通貫で経験させることによって、実践的に鍛えるのです。

 

このようにある意味で経営のシミュレーションを行うことによって、経営者としての経験を積ませていくのです。

 

このように後継者の教育を行っていく際に気をつけなくてはならないのは、きちんとPDCAを行うということです。具体的には、定期的に当後継者と面談の場を設けて、状況を確認するということが望ましいでしょう。

 

仮に当後継者に経営者としての見込みがなさそうであれば、計画の修正が必要となります。場合によっては、他の後継者を選ぶということも必要になるでしょう。