中小企業の事業承継コンサルティング経営承継円滑化法が改正されました(平成27年4月1より施行)

経営承継円滑化法が改正されました(平成28年4月1より施行)

経営承継円滑化法が改正され、4月1日より施行されました。

 

経営承継円滑化法とは、中小企業の事業承継をその名の通り円滑にすることを目的として施行された法律で、先代経営者から後継者に生前贈与された分の株式等を遺留分減殺請求の対象から外すことができるという遺留分特例をはじめとした各種の制度が盛り込まれています。

 

今回改正されたのは、この遺留分特例です。

 

改正前では、遺留分特例については、親族内の承継に限られていました。

 

例えば、先代経営者Xの相続人が、子A、子B、子Cの3名、後継者が従業員のZ、株式のみが相続財産であった場合を考えてみましょう。

 

Xから後継者Zには、譲渡ではなく、贈与という形で100%の株式が生前贈与され、その数カ月後にXが亡くなり、相続が発生した場合、3名の子は遺留分を侵害されたとして遺留分減殺請求が可能となります。株式を現物で返還した場合、Zの手元に残るのは50%となります。この状態では、普通決議を単独で行うこともできません。

 

XがAを後継者として、株式を贈与し、遺留分特例制度を活用した場合は、100%の株式をAに集中させることも可能ですが、このように改正前では、親族外の後継者Zへ株式移転については本制度の対象外となっていたのです。

 

勿論、親族外の後継者であっても株式を譲渡することは可能ですが、株価が高い場合は、資金の問題があるため、民事信託などの代替案を考える必要があったのです。

 

改正後は、遺留分権利者の合意を得ることができれば、親族外の後継者であっても、遺留分特例制度が活用できるようになりました。

 

本改正によるメリットは、後継者のオプションを増やすことができるということでしょう。特に中小企業では、所有と経営が分離されておらず、後継者は自ずと親族内に限られてきましたが、本制度を活用すれば、所有と経営を分離しなくても親族外の後継者に承継することがより容易となります。