事業承継に関する補助金はあるか

事業承継に関する補助金はあるか

事業承継に関する補助金として挙げられるものに「第二創業促進補助金」です。

 

この補助金は、事業者が新たな事業を立ち上げる際の費用を補助するものでしたが、平成28年度の補助金から、事業承継の際に活用できる補助金として明記されるようになりました。

 

ただし、事業承継後の新事業・新分野への展開であることが必要とされます。つまり、事業承継そのものについての補助金ではないことに注意が必要です。あくまでも事業を新たに創るということが前提なのです。

 

補助率は、3分の2、100万円以上200万円以内の範囲であることが必要です。その際、既存事業を廃止するのであれば、800万円の費用が交付されます。

 

補助の対象は、人件費に加えて設備費等の事業費になります。また、事業の廃止については、以下の費用が対象となります。

  • 在庫処分費
  • 修繕費
  • 解体費及び処分費
  • 現状回復費

 

補助金以外の活用できる施策

 

上記のような補助金に加えて、事業承継に係る税負担の軽減と言う形の施策が打ち出されています。

 

例えば、オーナー経営者の多い、非上場企業については「非上場株式等についての贈与税の納税猶予制度」というものがあります。これは、後継者に株式を集中させるために、生前贈与という形を取った場合、基礎控除額が110万円しかないことから、節税しようとすると、複数年に渡って分割して贈与を行わなくてはならなかったり、そもそも株式の評価額が大きいと、焼け石に水になってしまうことから、株式の散逸を招きかねず、結果として円滑な事業承継ができないということからできた制度です。この制度を活用すれば、後継者は莫大な贈与税を支払わずとも、株式を承継することできます。

 

ただし、現在、これらの制度の活用はあまり進んでいないというデータがあります。一つの理由としては、要件が厳しいということが挙げられます。このエントリーでは詳細な説明は省きますが、従業員の雇用の維持等の要件を満たせなくなれば、上記の制度の場合、一括で贈与税の納付を行わなくてはならないということになります。この際、相続時精算課税が使えず、暦年課税となるため、控除額が110万円にであることに加え、高額の贈与があった場合、課税の割合は非常に大きくなってしまいます。

 

また、単純に税金が問題となる”資産の承継”だけですまないのが、事業承継です。その他、ノウハウの承継や後継者の選定、事業の磨き上げなど様々な要素があります。

 

従って、補助金を考えるよりも、他にできることは沢山あります。例えば、棚卸資産に不良在庫が眠っている場合などは、株式の評価額を下げることを狙いとして、廃棄損や評価損で費用計上することが考えられます。このようなことは、むしろ財務体質の改善という意味でとても有意義なことです。

 

まとめると、そのものずばりの補助金というものはありません。事業承継においては、まずはしっかりと自社の財務状況に向き合い、その上で節税を考えていくという流れが望ましいと言えます。