事業承継を取り巻く現状・小規模事業者の現状と課題

事業承継を取り巻く現状・小規模事業者の現状と課題

本日は、小規模事業者の事業承継における現状と課題についてより深くみていきましょう。

 

まずはこのデータを見て下さい。

小規模事業者の廃業理由

事業承継を取り巻く現状・小規模事業者の現状と課題
出典:2013年度版中小企業白書 中小企業庁委託「中小企業の事業承継に関するアンケート調査」(2012年11月、(株)野村総合研究所)

 

小規模事業者が廃業に至った理由を示したのがこのデータですが、このデータを見ると、最も多い理由は後継者難であり55%となっています。やはり小規模事業者の事業承継においては、後継者の問題が大きいと言えます。

 

では、なぜ後継者難となるのでしょうか。。

 

小規模事業者の廃業理由・後継者難の理由

事業承継を取り巻く現状・小規模事業者の現状と課題
出典:2013年度版中小企業白書 中小企業庁委託「中小企業の事業承継に関するアンケート調査」(2012年11月、(株)野村総合研究所)

 

このデータでは、後継者難の理由として、「息子・娘に継ぐ意思がない」が最も大きく50%となっています。従業員の中から選ぶことも難しいためか、「適当な後継者が見つからない」が39%となっています。

 

さて、このような傾向は、小規模事業者のなかでも個人形態と法人形態では変わるのでしょうか。次からは、個人形態と法人形態で分けられたデータを見ていきます。

 

組織形態別の現経営者と先代経営者の関係

事業承継を取り巻く現状・小規模事業者の現状と課題
出典:2013年度版中小企業白書 中小企業庁委託「中小企業の事業承継に関するアンケート調査」(2012年11月、(株)野村総合研究所)

 

このデータをみると、個人形態の事業体の場合は、息子・娘に事業承継をする場合が殆どであることが分かります。仮に借入がある場合、個人の債務は資産と同様に相続人に引き継がれますので、息子・娘に引き継がざるを得ない状況であるのかもしれません。また、家族経営が多いという理由もあるかもしれません。ただ、法人形態の場合でも、小規模事業主の場合は、息子・娘に承継することが半数を超えるのが特徴です。

 

組織形態別の小規模事業者の廃業理由

事業承継を取り巻く現状・小規模事業者の現状と課題
出典:2013年度版中小企業白書 中小企業庁委託「中小企業の事業承継に関するアンケート調査」(2012年11月、(株)野村総合研究所)

 

息子・娘に承継することが多い小規模事業者では、「息子・娘に継ぐ意思がない」場合に廃業に至るケースが多くなるというのがこのデータから言うことができます。これは、個人形態の場合に顕著です。一方で、法人形態の場合、従業員を雇用している可能性は高まりますが、株式や営業用の不動産の取り扱いなどがの問題があるため、「適当な後継者が見つからない」、「事業に将来性がない」という理由が増えると推測されます。

 

このように、小規模企業は個人形態・法人形態問わず、息子・娘へ承継できなければ、廃業せざるを得ない現状がうかがえます。また、そもそも承継する価値を見いだせるかどうかも大きな問題です。こういった状況では、まず専門家に事業の価値を客観的に計測してもらう(デューデリジェンスしてもらう)ことが必要です。その上で、事業の買い手がいるかどうかを探してみるのも一つの手です。