事業承継におけるDD(デュー・デリジェンス)の重要性

事業承継におけるDD(デュー・デリジェンス)の重要性

事業承継を考える際、事業と財務のDD(デュー・デリジェンス)が非常に重要となります。DDの結果如何によって、事業承継の方法にとどまらず承継すべきか否かまで変わってきます。

 

肝心なのは、ありのままの現状を把握することです。経営者が自分の事業については、自分が一番良くわかっていると思うのは当然のことであり、年間365日事業と向き合っていることからそれは真実と言えますが、一方で主観的であることも事実です。地球が太陽の周りを回っているという事実は、思い込みや先入観を避けて客観的に観察することで初めて分かった事実です。これは、事業についても同じことが言えます。フレームワーク、例えばSWOTや5Sを用いることによって、論理的かつ客観的に自身の事業をみることができます。いわばこれがDDなのです。多くの企業では、毎日のオペレーションに没頭するあまり、市場が今後どのように変容してくのか、どのような競合が存在しているのか、今後、新たなビジネスモデルを持った企業が参入してくる可能性があるか否か、等々を把握することが疎かになりがちですが、これは経営をするにあたって非常に重要なことであり、この機会にDDで現状を明らかにすることは、非常に有意義なことです。そして、仮に今後市場が縮小したり、競合他社に勝てない状況が見えてきたら、無理に後継者に引き継がせるのではなく、事業から撤退をしたり、競合他社に事業譲渡する等の策も必要となるのです。

 

事業面だけでなく、財務面でのDDも重要です。特に、経営者の個人保証(連帯保証)は大きな問題です。仮に経営者が後継者を決めている場合でも、本人が個人保証を求められた場合に、承継に尻込みすることは大いに考えられます。特に、従業員等の親族外の承継の場合、非常に大きな問題となる可能性があります。また、実態の貸借対照表を作成する必要があります。これは、債務超過か否かを把握するという意味合いがあります。これにより相続時の株価も異なってきます。

 

このようなDDを行った後は、株価や土地等の資産の承継を考えるだけでなく、今後の経営計画を立てることが肝要です。会社の見通しが暗い状況では、バトンタッチする後継者を選ぶことが非常に難しくなるからです。また、M&Aを考える際も、高値で売却するためには、会社の磨き上げが必要となるからです。